しずおか文化のページ伊豆文学フェスティバル第18回伊豆文学賞入賞作品決定
文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第18回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。 表彰式は、3月8日(日)に沼津市のプラサ ヴェルデで「伊豆文学フェスティバル」として開催します。表彰式の後には、「伊豆文学塾」を併せて行います。内容は、伊豆文学賞の審査員を務める作家の村松友視さん、嵐山光三郎さん、太田治子さんによる「伊豆文学よもやま話」をテーマとした文学座談会を開催します。 (「伊豆文学フェスティバル」の案内はこちら)
すごく嬉しく思うのと同時に、信じられない気持ちです。 文章を書くことが好きで10歳から小説を書き始めましたが、長い作品を書いたのは久しぶりでした。そんな作品を先生方にしっかり読んでいただいた上に、評価していただけたことが嬉しく、大変光栄です。
私は、浜松市で生まれ、高校卒業まで浜松で過ごしました。大学卒業後、関東で働いた後、地元に戻りました。今、浜松は元気がないのではないかなと感じています。そこで、浜松と浜松まつりを題材にした小説を書き、全国に浜松の魅力の一部でも伝えられたら…と思い、伊豆文学賞に応募いたしました。
時間の流れは、私たちに、たくさんの恵と喪失をもたらします。毎日の生活の中で出会ういくつもの選択。それが、自分に何をもたらすかということは、ずっと後になってからでないとわからないものなのかもしれません。それでも、私たちは様々な選択をし、それを引き受けて、毎日を懸命に生きていく。そこに人生の尊さがあり、そういう意味で、どんな人生も等しく意味がある。そのような思いをこめました。
天にも昇る心地というのはあまりに平凡ですが、どう表現すれば・・・・・・舞い上がっております。読んでいただく方にとって、身近な人とのコミュニケーションやスキンシップについて見つめ直す機会になれば幸いです。
10年ほど前、文章も書き慣れないままに、いきなり小説部門に挑戦しました。30枚の原稿を埋めることに必死で、タイトルもピント外れだったと思います。 今回、若い頃に初めて赤電に乗った当時のエピソードを想い出して、地元の遠州鉄道の歴史を調べてみようと思いました。
コミュニケーションとかスキンシップ等の言葉が、今ほど世の中でいわれていない時代でした。父の墓参りで、不器用だった父娘のワンシーンがよみがえり、遠い父の記憶をたどってみたくなりました。
年々レベルが上がっており、いい作品が揃って選考に苦労した。今のことを描いても過去とつながってることや、忘れないことの大切さなどを伝える作品があって、共感できた。 ただ、パターンがある程度決まってきていることは否めない。特に、時代小説を書くことは難しく、史料に頼りすぎたレジュメになりがちなので注意が必要である。 最優秀賞「まつりのあと」は、小説らしい小説である。ピアノがキーポイントとなり、清々しく本賞にふさわしい作品だった。日常生活を淡々と書いているところがよかった。
突出した作品が見い出せないことが寂しかった。作品のレベルというよりも、メッセージとしての躍動感や広がりといったものに物足りなさを感じた。次回以降、メッセージとして伝える必然性を持った、熱が伝わってくる作品を期待したい。 最優秀賞「『赤電』に乗って」は、日ごろあまり取り上げられない当たり前にあるものにスポットを当てたことがよかった。てらいのない文章にも好感がもてた。